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手のモデリングは、いわゆる「パー」の状態だったら結構簡単だと思いますが、指を曲げた状態にするのには一気にハードルが上がります。
本では「マスク」をして「ギズモ」で曲げる、とシンプルに書かれてますが、やはりそう一筋縄ではいきません!
これまで曲げ等の変形では、「ギズモ」以外にも「Moveブラシ」や「トランスポーズ」を使ってきましたので、そういった他の方法でやれば果たして上手く行くのか??
今回また新たな方法(の組み合わせ)を知るいい機会になりましたので、是非皆さんも参考にしてみてください。


ZSphereで「手」のベースを作成
ZBrushではベースとなるモデルの形を作る場合は、この「ZSphere」で大まかな形を作って、それをメッシュに変換(アダプティブ・スキン作成)というのが王道のパターンという感じですね。
今回の「手」を作るのも、ZBrushでベーシックな「球」から変形して作成できない訳ではありませんが、「ZSphere」で大まかな形を作る方が圧倒的に楽なので、この方法を選ばない手はないと思います。(オヤジギャグではありませんが)

あと、「ZSphere」で作成すると下図のように節の部分を境にポリグループが分けられてメッシュ化されますので、この後に行う「指の曲げ」ではポリグループ毎に曲げを行うことから、次の変形作業を行うのにも非常に都合がいいです。

このままだと宇宙人の手みたいなので、主に手のひらの部分を大きくしていって全体のバランスを取ります。
手のひら側は、親指の付け根部分の盛り上がっているようなところは、本に記載のあるように「Inflateブラシ」を使って膨らませる感じで盛り上げるといい感じになります。



ちょっと中指が太めかなぁ、という感じもしますが、一旦これでOKとしますかね。


指の曲げ
本では、まず最初に小指の先端(第一関節部分)から曲げていきます。
小指の先端をマスクして、マスクを反転。小指の先端以外をマスクした状態で「ギズモ」を使って曲げていきます。
「ギズモ」を使って曲げる時に、そもそもの注意点ですが、「ギズモ」の中心点と縦横の矢印の方向、位置を指の位置・方向としっかり合わせてから曲げないと、下図のようにズレて曲がってしまいます。

そこで「ギズモ」の位置を縦横から見てしっかり位置を合わせる必要があります。


「ギズモ」の位置をしっかり合わせて、クイッと曲げると・・・
今度はズレずに曲がりましたが、曲がった部分がガビガビになってます。


ガビガビになった場合はダイナメッシュをすればいいじゃん、というところですが、素人目に見てもこれってそういうレベルじゃないな、と。
そもそも、本では曲げた部分がこんなにガビガビにはなってませんので、何かが違うんじゃないか?と。

「トランスポーズ」による指の曲げ
ここで、「ギズモ」で上手く「曲げ」ができない場合、「トランスポーズ」っていう手があるのを以前「髪の毛」の製作でご紹介しましたよね。
「トランスポーズ」で曲げればガビガビにはならないはず!と、ちょっと自信ありげにこちらの方法を試してみました。

よっしゃー! やっぱり思った通り、ガビガビにならずに曲がりました!
困った時の「トランスポーズ」だよねー、と思っていると・・・ん??

シワが無いっ!!
綺麗に曲がりすぎた・・・曲げた部分にシワができないとそれっぽくないんですよぉ・・・
ガビガビにならず、綺麗になりすぎず、シワが入る上手い曲げ方ってどうすればいいんだよぉぉ
解決策は「ギズモ」+「マスクのボカシ」だった!
小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」の如く、「解決策は突然に」でした!
今回ばかりは「トランスポーズ」では綺麗に曲がり過ぎちゃうし、やっぱり「ギズモ」で中心を置く位置とかなのかなぁ??と思って、再度「マスク」からやり直していた時でした。
ん??
たまたま、マスクをした時に間違って画面をクリックしてしまったのですが・・・ボケた。
自分がボケをかました訳ではありません(って、わかってますよね)。
「マスク」の境目がボケたんです。


それをみてピンときました!
「マスク」の有り/無しの境目がはっきりしているので、曲げた時に曲がる部分と曲がらない部分がキッチリ分かれて、結果ガビガビになってしまっているのでは?と。
それなら、「マスク」の境目をボカしてやればなだらかに曲げの効果が現れてガビガビにならないのではないかと。

キター! ガビガビにならず、シワもいい感じにできながら上手く曲がってくれました!
関節の部分が少し盛り上がったようになってしまいますが、そんなのは気にしません!(そんな修正は簡単ですので)
いやぁ、良かったぁ。これで指の曲げ作業にストレスが無くなりました。



「手」の完成
「ギズモ」+「マスクのボカシ」のコンビネーション技を習得した後は、「手」の完成までは早かったです!
本には書かれてませんが、ちょっといい気になって爪まで付けたりして。
まぁ、よく見ると女の子の手って感じじゃないよなぁ・・・とは思うものの、手っぽくはなってますよね??
「人生初めての手」ということで、よくやったー、と自分を褒めてあげていいかなぁと勝手に思ってます。




しかし、今回も改めて思ったのは、本に対して文句を言うつもりは全くありませんが、たった一言「マスクをボカす」と書いてくれていればこんなに悩まずに曲げられたのになぁ、と。
ただ、逆の見方をすれば、色々と自分で試してみることによって、これでやるとこうなる、あれだとこうなっちゃう、とか自分の経験値が知らずに上がっているような気もします。
とは言え、初心者の場合は本への依存度がメチャ大きいので、「本の通りにやっているのに本と同じように出来ない!一体どうしたらいいんだよぉぉ」となってしまうと一気にモチベーションダウン、そこで「ジ・エンド」となる可能性も高いと思うんです。
そこで、今回のような造形のポイントを一言添えてもらえると初心者の戦線離脱を結構防げるんじゃないでしょうかね。
さぁ、次はとうとう身体の完成です!
それでは次回もお楽しみに!

