
※本ページはプロモーションが含まれています。
ZBrush初心者がZBrushの本を見ながらフィギュアを作成したら、どんなレベルのものが出来るのか?ってのが気になりますよね?
今回は「「ZBrush Core」でつくるフィギュア原型」の本を見ながらフィギュアを作成していきますが、この本では最後に3Dプリンタでの印刷までが書かれてますので、これを参考に最後は3Dプリントまでしてみたいと思います!
※本では「ZBrush Core」を使って、となってますが、本記事では「ZBrush 2022」を使用してます。
ただ、初心者ということもあって(?)、ほぼ「ZBrush Core」にある機能のみを使用して作成してますので、念のため。


フィギュア作成の大まかな流れ
今回のフィギュア作成に当たっての大まかな流れは以下のような感じです。
フィギュアの「素体」の作成
↓
ポージング
↓
細部の作り込み(顔、手、洋服、靴)
↓
3Dプリント用に分割
↓
3Dプリント
完成形は先の本の表紙にあるような感じなのですが、初心者的には、3Dプリント以前にZBrushでのスカルプトによるモデリングでどれほどのフィギュアが出来るのか?本の通りにやれば本と同じようなものが出来るのか?その辺を確かめながらトライしてみたいと思います。
う〜ん、でも今回の成否が今後のZBrushでのモデリングのモチベーションにも大きく関わってきそうな気もしますので、ちょっと丁寧に進めていきたいなと思います!
基本操作を勉強しながら「猫耳の帽子」の作成
「猫耳の帽子」の作成は、基本操作を勉強しながらの作成ですので、いくら初心者とはいえこの段階で躓くことはないはずなんですが、「本と同じようにできないんだけど・・」という事態がいきなり発生です!

帽子は球体からMoveブラシで耳を引っ張り出して、上半分をマスクして下側をMoveブラシでつぶす、という単純な作業なのですが、下側をつぶしていくと、図のようにフチみたいなのができてしまうんですよ。本ではそうなっていないのに・・・
結局、解決方法はよく分かりませんでしたが、とりあえずつぶし具合を少なめにして一旦これでよし、としました。
(それでも段差のようなフチはありますが・・・)
まぁ、後で何とかなるでしょ。


「素体」の作成
それでは本チャンのフィギュアの作成に入っていきますが、まずは作成する時のガイドになる「下絵」の取り込みを行います。
「下絵」は本を購入すれば指定のサイトからダウンロードできますので、それを使用します。

これだけでなんかそれっぽいですよね。
3Dモデリングやってます、みたいな感じでちょっとアガりますね。
別にここまではまだ「作成」段階ではありませんので、本の通りにやれば本の通りに出来るんですけどね。
それでは早速モデリングやっていきましょう。

顔のモデリング
ある意味フィギュアで顔は一番重要なパーツですので、モデリングの最初からメインイベントがくるようなもんですね。

まずはMoveブラシで「下絵」に合わせて球体を変形させて大まかな形を作っていきます。
ここのポイントは、球体の解像度をダイナメッシュという機能を使って一旦下げる(解像度128→32)ことのようです。
大まかな形を作る際には解像度(メッシュの細かさ)を粗くして、まずは作りたい形にざっくり形を合わせていく、という感じのようです。

どうでしょうか、ざっくりこんな感じになりました。
まだこの段階では粗くて細かい部分は表現できないので、何となく全体の形的にこんな感じでいいかな?というレベルまでですね。
結局、頂点を動かすことによって面の形が変わる、という感じでモデリングしていくことになりますので、図のような粗い解像度の状態では本当に形を合わせる、程度までしかそもそもできませんので。

ここからもう少し細かい造形をしていくために、メッシュの解像度を上げます。
メッシュの解像度を上げる(=メッシュを細かくする)には、「ディバイド」という機能を使います。
「ディバイド」のボタンをクリックすると「SDiv2」と表示されてメッシュが細かくなります。
(「SDiv」=「サブディビジョン(サブディブ)」と言います)
この「ディバイド」ボタンを押す毎に「SDiv2→SDiv3→SDiv4」と数字が上がりメッシュもどんどん細かくなっていきますが、メッシュが細かくなるとその分データ量も大きくなりますので、むやみやたらに上げればいいもんではないようです。
「SDiv2」にしてもう少し細かい造形をしていきます。
この段階はまだMoveブラシで鼻を尖らせたり、目の部分をくぼませたりと、もう少し形をそれらしくしていきます。

次に「SDiv3」でさらにメッシュを細かくしてさらに細かい造形をしていきます。

「SDiv3」くらいになってくると、より本格的な造形をし始める感じですね。
なるほど、なるほど。このくらいからは個々人の造形センスというか、イメージを形にしていく技術が問われ始めるように思います。
また、この辺からMoveブラシだけでなく、Standardブラシも使って、より具体的に形にしていく感じですね。

この辺になると今まで以上にブラシの大きさを変えたり、造形した形が気に入らずに何度もやり直したり、と造形作業に一気に時間がかかるようになってきました。
こだわっているといつまで経っても終わらないので、ある程度のところで妥協するのも大事かもしれませんね。
自分的には目の周辺はまだまだ納得のいく状態ではありませんが、一旦ここまでにしたいと思います。
ちなみに、ここまでの造形ではMoveブラシ、Standardブラシ、Smoothブラシの3種類のブラシを使用しました。


身体(上半身)のモデリング
次は身体を造形していきます。上半身と下半身に分けて造形します。
身体のモデリングでは「ZSphere」というちょっと特殊な球体を使用して作っていきます。
「ZSphere」は最初は赤い球体なんですが、球の部分からジャバラを伸ばすようにして骨組みチックな形を作ります。
これを頭を作成した時のように、球体からMoveブラシとか使ってこういう形を作っていくのが大変なので、この「ZSphere」でざっくりとした造形したい形を作ってからブラシでの造形を始める、という使い方のようです。

「ZSphere」で上半身の形ができたら、「アダプティブ・スキンの作成」機能で図のようにメッシュの状態に変換します。
(「ZSphere」の状態ではブラシでの造形はできません)

「アダプティブ・スキンを作成」時の注意点
さて、ここで自分なりの気づきポイントというか、先ほど使用した「ディバイド」と「ダイナメッシュ」の使い分けというか、綺麗な造形をするための参考情報です。
(とは言え、まだ初心者ですので、まぁ話半分でみてもらえればいいかと)
さて、何に気がついたかというと、「ZSphere」から「アダプティブ・スキンを作成」すると以下の図のようになります。

ここからもう少し細かい造形をするために「ディバイド」を行うと・・・
こんな感じです。

で、「アダプティブ・スキンの作成」の後に、解像度32のままで「ダイナメッシュ」を行うと・・・

それで、これに「ディバイド」を行うと・・・

違いが分かりましたか??
「ディバイド」後の結果を並べて見ると、特にちょうど脇の下から胸にかけての部分に左では変に線が入ったようになってますが、右はそういうのはなく全体的に綺麗なメッシュになっているように見えます。
(左:アダプティブ・スキンのみ / 右:ダイナメッシュ実施)


「アダプティブ・スキンの作成」時には、元の「ZSphere」で作成した形状によっては、必ずしも綺麗なメッシュに変換される訳ではないんだと思います。
その場合、そこから「ディバイド」でメッシュを細かくしても綺麗じゃないメッシュをただ細かくするだけ、となってしまう訳ですね。
そのため、一度「ダイナメッシュ」を行うことで、現在の形状に合わせて「メッシュを貼り直す」感じになるため、形状に即した綺麗なメッシュとなり、そこから「ディバイド」をすると綺麗なメッシュを細かくする、ことができるんだと思います。
綺麗なメッシュにすることが綺麗な造形に繋がると思いますので、この辺は結構大事なんじゃないかと素人ながら思うところです。
ただ、一度「ダイナメッシュ」を行うことで形状が若干「痩せる」感じになってしまうので、その辺は認識しておく必要はあると思います。
とまぁ、メッシュを綺麗にした上で、Moveブラシ、Standardブラシ、Smoothブラシに加えて更にInflateブラシを使って上半身を造形しました。
う〜ん、上半身は「鎖骨」を造形すると一気にそれっぽくなりますね!

3面図でモデリングする際の注意点
モデリングに当たっては、最初に読み込んだ「下絵」を元に造形していきますが、ここで造形時の注意点があります。
(こんなの普通は「当たり前」だと思いますが、初心者には要注意で、気をつけておかないと、後で「マジっ!?」ってなりますので)
モデリングでは下絵の「正面図」と「側面図」に合わせながら造形していきます。


これって初心者にとっては3Dの落とし穴?だと思うんですが、正面図と側面図でだいたい形的には合ったな、と思うじゃないですか。
でも3Dなんですよ。
これを見てください。
身体(の断面)は三角形なんです! 確かに正面と側面から見れば下絵の輪郭に合っているように見えますが、3Dなのでそれだけじゃダメなんですよね。
こうやって斜めとかからも見ながら「立体物」として全体の形がイメージする形になっているかを見ながら造形しないといけないんですね。
ですので、下絵に合ったとしても色々な方向から見る角度を変えて見ながら造形・調整していく必要があるんです。
そうなると、下絵が無い状態の部分の造形は自分のイメージだけで造形しないといけませんので、こういう部分で個々人のイメージによる差が造形に現れてくるのかもしれませんね。
(まぁ、フィギュアのような人物では、下絵に無い部分はある意味実際の人を参考にできるのでそういう意味ではやりやすいのかもいしれませんね)


身体(下半身)のモデリング
下半身も基本的には上半身と同様に「ZSphere」で下半身の形状を作成し、「アダプティブ・スキンの作成」でメッシュに変換してから造形します。


下半身は「アダプティブ・スキンの作成」だけで結構綺麗なメッシュになってましたので、特に「ダイナメッシュ」を行わずに造形しました。
下半身は(上半身もですが)その後には洋服を作成するので、あまり細かく造形する必要はありませんが、造形し出すとつい気合が入ってしまいますね。
それなりの形になってくると「もっとこうじゃないと・・・」とか、つい熱っぽくなってしまいますが・・・ここも適当なところまでにしておかないといけませんね。
う〜む、結局お尻も気合入れすぎたら(笑)、かえって男性のお尻みたいになっちゃいましたねぇ・・・しょんぼり。


ちなみに下半身では、今まで使ってきたブラシに加えてDamStandardブラシを使いました。(お尻の割れ目とかにね!)

脚、腕のモデリング
脚も腕も基本的には同じように「ZSphere」で作成します。
脚も腕も基本的には同じ作成の仕方ですが、まず片側(右側)だけ作成して、その後「複製→変形(ミラー)」で反対側をコピーします。


この辺まで作成してくると、初心者でも分かってくるところがあります。
ZBrushって、初心者でもある意味簡単に「カタチ」にできるところがすごいなと思います。
さらに「ZSphere」で「一足飛び」にイメージに近い形まで持っていった上でメッシュにして、そこから仕上げる、みたいな感じの手順で作成していけるのは、初心者でもカタチにしやすいということだと思います。
でも、「カタチにしやすい=上手くできる」ではないので、ざっくりとしたカタチからイメージ通りのものに仕上げる、イメージを形に具現化していく作業が難しいところですね。
多分、これはある程度の経験を積んでいくことと、イメージを具現化・カタチにする技術というのか、コツ?が必要なんだと実感します。




脚も腕もそうですが、単なる「円柱」では無いですからね。
ずっと均一な形ではなくて、場所によって形状が異なりますし、それって筋肉がどうついているか?ってことなんでしょうね。
でも、上半身造形時の「鎖骨」ではありませんが、その辺を意識して造形すると、一気に「それらしく」なるんですね。
この「それらしく」なった時の快感というか、嬉しさったらないですね。モチベーション一気にアップです!

素体の完成
脚、腕までできたところで、とりあえず手と靴を仮でザックリ作ったものを合わせて、素体の完成!!




ここまでで延べ丸1日でした。
初心者ですので、操作に慣れていない部分と、どこまでこだわって造形するか?という部分とでかかる時間は大きく変わってくると思いますが、この素体全身の作成に丸1日くらいであればまずまずの感じじゃないでしょうかね。
(初心者のモチベーションが継続できる、という意味で)
これからポージングしてディテールを造形していきますので、今まで以上にイメージの造形への落とし込みと、造形へのこだわりが仕上がりと時間に大きく影響することになっていくものと思います。
それでは「素体の作成」は終了!
次は「ポージング」をやっていきますので、また次もお楽しみに!!

