ZBrushをやってみよう!、と思った時に準備として最低限何が必要なのか?
Webで調べると色々な方々が丁寧に説明されてますのでそちらを是非みて下さい、と言っては元も子もありませんので、一般情報と合わせて私なりの考え方を共有化させていただきますので、「ちょっと良さそうだったらやってみようかなぁ・・・」と考えている方はこの記事を「一人のおじさんの考え方」として参考にしてみて下さい。
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肝腎要のZBrushはどうすればいいのか?
ZBrushには以下3種類のソフトがあります。
- ZBrush:本家本元のZBrush
- ZBrushCore:ZBrushの機能限定・廉価版
- ZBrushCoreMini:ZBrushCoreから更に機能を限定した無償ソフト
ZBrushとZBrushCoreの違いについて
ZBrush(他2種類のソフトと区別するために「無印ZBrush」と言われることが多いです)とZBrushCoreとは何が違うのか?
一言で言うとZBrushCoreは「コア」という名前がついているように、ZBrushの中でコアとなる機能に限定してリーズナブルな価格に設定された「ZBrush入門者向けソフト」と言う感じです。
具体的に何が違うのか?難しいことを言ってもさっぱりわからないという方が大半だと思いますので(かくいう私も細かいことは理解してませんので)ポイントとなりそうな部分の違いのみご説明します。
ベースメッシュ生成の比較
機能 | ZBrushCore | ZBrush |
---|---|---|
ダイナメッシュ:メッシュの更新 | ○ | ○ |
Zスフィア:モデルの原型簡単作成ツール | ○ | ○ |
マネキン:あらかじめ作られた人型モデル原型 | ○ | ○ |
プリミティブ:円柱やキューブ等の基本立体 | ○ | ○ |
※株式会社オークホームページより抜粋。(詳しくはこちらを参照下さい)
ベースメッシュというのは、モデリングで造形されたものはポリゴンという三角形や四角形等の面の組み合わせで立体物を形作っているんですが、その表示を見るとワイヤーフレームでメッシュのように全体が網目状になっていることから「ベースメッシュ」という呼び方をしているんだと思います。(私の解釈ですが)
<ベースメッシュのイメージ>
このベースメッシュ生成の機能というのは、例えばフィギュアを作成する場合に単なる粘土の塊からコネコネして作るのではなく、ざっくりとした人型等を自由に容易に作れるツール(Zスフィア)であるとか、あらかじめマネキンのような人の形をした物が原型として準備されている(マネキン)とか、モデリングを行う時の立体のテンプレート的なものが使えるというものです。
<Zスフィアの例>
<マネキンの例>
<ZBrushの標準的なスタート画面>
このZBrush標準のスタート状態(丸い粘土の塊からスタート)と先ほどの「Zスフィア」や「マネキン」と比べて、フィギュアのモデリングを行うのにどの状態からスカルプトをスタートするのがやり易いのか?は明らかですよね。
この機能が無くても同じものをモデリングできない訳ではありませんが、あるとないとでは手間が大きく異なるということですね。
この辺の機能はZBrush特有のコアな機能だと思いますので、表のようにZBrushCoreにもしっかり搭載されてます。
スカルプト機能の比較
機能 | ZBrushCore | ZBrush |
---|---|---|
1メッシュ毎の最大ポリゴン数 | 2千万 | 1億 |
マルチ解像度メッシュ編集 | ○ | ○ |
ブラシの数 | 36 | 300+ |
複数のメッシュサポート(サブツール) | ○ | ○ |
ダイナメッシュによるブーリアン型操作 | ○ | ○ |
参考画像サポート | ○ | ○ |
Sculptris Pro | ○ | ○ |
SnakeHookブラシ(引き出すブラシ) | ○ | ○ |
※株式会社オークホームページより抜粋。(詳しくはこちらを参照下さい)
ZBrushでのモデリング操作の基本となるスカルプト(彫刻)機能の基本的な機能を比較すると、やはりZBrushCoreはコアとなる機能は搭載されていますが、この中で一番の大きな違いは「ポリゴン数」と「ブラシの数」です。
ポリゴン数が多いということは先ほどの「網目」がより細かくなるということですので、より複雑かつ細かい造形のモデリングができるということになりますが、初心者ではそこまでのモデリングは到底行えませんので、ZBrushCoreのポリゴン数でも全く問題はありません。
更にブラシの数ですが、ZBrushが300種類以上もあるのにZBrushCoreはたったの36種類しかないの??と思ったあなた、大きな間違いです。
例えば彫刻刀で考えた時に、初心者が36種類の彫刻刀を使い切れるでしょうか? ましてや300種類以上なんて!
小学生時代に使った色鉛筆とか絵の具とかも一緒じゃなかったですか?? 12色とか24色とかでもすぐ無くなる色がある一方で、全く使わないような色もあったんじゃないでしょうか。
素人なんてそんなもんですよね。
ZBrushCoreというのは無印ZBrushのコアとなる基本的な機能をしっかり搭載していますので、ある意味ZBrushを勉強したいという初心者には入門用として正にうってつけのソフトになってます。
価格・その他の比較
項目 | ZBrushCore | ZBrush |
---|---|---|
価格(税別)※1 | 21,000円 | 113,000円※2 |
日本語対応 | ○ | ○ |
WindowsおよびMacでの対応 | ○ | ○ |
認証可能マシン台数 | 2 | 2 |
※2 印刷日本語ユーザーガイド(フルカラー1006ページ、@8,000円)付属の場合の価格です。
無印 ZBrushとZBrushCoreとのこの価格差は大きいですよねぇ。
いやいや、「俺は退路を断って絶対に習得してやるんだ」という決意で最初からZBrushを買ってしまう、というのも一つの手としてあるかもしれませんが普通は絶対にお薦めしません!
実は私も、今回「ZBrush始めます!」と言ってますが、既にZBrushCoreで勉強を始めてまして、まだまだ基本を習得したとは言い難い状況なんですが、「続けられる」との確信が持てたため思い切って無印 ZBrushを購入してしまい、本家本元をしっかり勉強しようと思った訳です。
ですので、「10万円ぐらい小銭みたいなもんじゃぁぁ」という裕福なおじさまは別として私のような一般ピープルなおじさんには絶対にZBrushCoreから始めることを強くお薦めします。
ただ、この後に説明しますが、無償のZBrushCoreMiniというのもありますので、ZBrushにちょっと心を惹かれている方は是非この記事の最後までご覧になっていただき自分にとってのベストウェイを考えてみてください。
ZBrushCoreとZBrushCoreMiniとの違いについて
ZBrushCoreとZbrushCoreMiniの最大の違いは有償か無償かです。
ZBrushCoreは有償、ZBrushCoreMiniは無償ですので、とにかくまずはどんな感じなのか試してみたいという場合にはZBrushCoreMiniを選択することになります。
機能的には一言で言うとZBrushCoreMiniはほぼスカルプトを行うための基本機能のみに絞り込んだ感じになってますので、まずはZBrushがどんな感じでモデリングを行うのか?を実際にやってみて体感してみるための「体験コース」的な位置付けのソフトだと思います。
ベースメッシュ生成の比較
機能 | ZBrushCoreMini | ZBrushCore |
---|---|---|
ダイナメッシュ:メッシュの更新 | ✖️ | ○ |
Zスフィア:モデルの原型簡単作成ツール | ✖️ | ○ |
マネキン:あらかじめ作られた人型モデル原型 | ✖️ | ○ |
プリミティブ:円柱やキューブ等の基本立体 | ✖️ | ○ |
※株式会社オークホームページより抜粋。(詳しくはこちらを参照下さい)
ZBrushCoreMiniには基本的にこういった便利機能は含まれてませんので、あくまでいちから粘土をコネコネとスカルプトしてモデリングするのみです。
スカルプト機能の比較
機能 | ZBrushCoreMini | ZBrushCore |
---|---|---|
1メッシュ毎の最大ポリゴン数 | 75万 | 2千万 |
マルチ解像度メッシュ編集 | ✖️ | ○ |
ブラシの数 | 8 | 36 |
複数のメッシュサポート(サブツール) | ✖️ | ○ |
ダイナメッシュによるブーリアン型操作 | ✖️ | ○ |
参考画像サポート | ✖️ | ○ |
Sculptris Pro | ○ | ○ |
SnakeHookブラシ(引き出すブラシ) | ○ | ○ |
※株式会社オークホームページより抜粋。(詳しくはこちらを参照下さい)
スカルプト機能は必要最小限の機能に絞られてますが、初心者が比較的簡単なモデリングを行う上では十分な機能だと思います。
価格・その他の比較
項目 | ZBrushCoreMini | ZBrushCore |
---|---|---|
価格(税別)※1 | 無償 | 21,000円 |
日本語対応 | ✖️(英語版のみ) | ○ |
WindowsおよびMacでの対応 | ○ | ○ |
認証可能マシン台数 | 無制限 | 2 |
ZBrushCoreMiniの場合、地味に考えてしまうのが「英語版のみ」という部分ですが、使う機能も限られて少ないので英語でも何とかいけると思います。あと、ZBrushCoreの解説とかをみて同じ機能を日本語で何ていうのか?を確認するという手もあると思いますので、人生経験豊富なおじさまであればそこは何とかなるでしょう。
また、大元のPixologic社から無印ZBrushの全ての機能を30日間何の制限もなく体験できるサービスが提供されてますので、こちらで思う存分無印ZBrushを試しに使ってみるという手もありますが、一番最初にそこから入るのはあまりお薦めできないですね。
と言うのも、全くのZBrush初心者がいきなりフル機能の無印ZBrushをいじったところで、まだ基本的な操作からわかっていない段階ではあまり意味が無いと思います。
文房具売り場でペンとか試し書きする時には殆どの人がグシャグシャ〜っと書く程度で、文字を書いたり絵を書いたりする(できる)人って多分殆どいませんよね。
それと似たようなもんだと思います。
ですので、最初に無償のZBrushCoreMiniで試してみてから有償版を買うかどうか?を考えるという場合であったとしても、入門者用の本を購入してそれにならってモデリングをしてみることをお薦めします。
いくら試しに使ってみるといっても、基本的な操作方法がわからない、何をどう作っていけばいいのかわからないという状態でただ触るだけでは先ほどのペンの試し書きと変わりませんので、本の通りに操作・モデリングして一つ何かを作ってみるとZBrushがどういうものか?スカルプトってどういう感じのことをするのか?等がしっかり実感できると思います。
初心者用の本としては、他の方々もお薦めされてますが私個人的にもお薦めなのが以下の本です。
著者:HOPBOX 福井 信明
(Pixologic公認 ZBrush/ZBrushCoreインストラクター)
ページ数:528ページ
初版:2017年4月20日
価格:4,070円(税込み)
この本はZBrushCoreを使った本ですので、ZBrushCoreMiniでは使えない機能の説明もありますが、ZBrush特有のスカルプトをどうやって行うのかを実際に簡単なモデリングをしながら体感できます。
ちょっと価格的にはお高いですが、手取り足取りという感じで非常に丁寧な説明がされてますのでZBrushCoreMiniで試した後にZBrushCoreを購入した場合にもそのまま使えますし、その後もバイブル的にわからないところ、忘れてしまったところを都度確認することもできますので、買っておいて損の無い本だと思います。
ただ1点だけ、モデリングするキャラクターのデザインが非常に個性的ですので、このデザインが趣味に合う/合わないが結構あると思いますが(因みに私の趣味には全く合わないのですが・・・)、あくまでも練習用との見方で使い方、スカルプトの基本を学ぶためのものと割り切ってしまうのがいいと思います。
3種類のZBrushソフトの購入・入手方法について
ソフトの入手について発売元のPixologic Japanのホームページを確認すると、以下の国内代理店2社から購入することになってます。
因みに私は無印ZBrushを購入するに当たり、上記2社のホームページを確認した上で最終的に株式会社オークさんからの購入に決めました。
何故そちらに??の理由は、私の探し方が下手くそだったからかもしれませんが、株式会社ボーンデジタルさんのホームページではZBrushCoreやZBrushCoreMiniの在りかを探せず、この3種類のZBrushソフトを簡単に探せたというシンプルな理由で株式会社オークさんの方から購入することに決めました。
買うのはZBrushなんだから他の2種類は関係無いじゃん!と言われればそれまでなのですが、やっぱり10万円オーバーの「巨額投資」をするに当たっては、最後の決断をするために色々と見比べて「やっぱり10万円投資する価値あるよね」と自分で自分に最後のひと押しをさせるためにも必要なんです。
購入はWeb経由で行い、ソフトはダウンロードするのですが、これがまた私の場合にはZBrushがまともに使えるようになるまで色々とありまして・・・
その際にも株式会社オークさんのサポートの方には非常に丁寧な対応をしていただき大変お世話になりましたが、そのおかげで無事に使えるようになりました。(この個人的な経験からも株式会社オークさんからの購入はお薦めできると思ってます)
この辺のこともこれからトライされる方々には参考になることもあるとは思いますので、また別の機会に記事として記載できればと思っております。
今回の記事ではZBrushの導入に関連したことを記載しました。
次回「その2」ではZBrushに必要となるPC等の機器関連について記載したいと思います。